校長室より

1月8日 集会 人間万事塞翁が馬  

新年おめでとうございます。今日は、新年にあたって、故事(教えのこめられた昔話)の一つを紹介します。「人間万事塞翁が馬」[じんかん(にんげん)ばんじ さいおうがうま]について話をします。じんかんというのは漢字では人間と書き、にんげんと読まれることも多くあります。調べるとどちらも正解らしいです。じんかん、にんげんはとは、人生に置き換えることができます。ばんじはすべてのこと。さいおうがうまはさいおうさんという老人のうまとなります。

むかし中国にすんでいた老人。その人は一頭の馬を大切に飼っていましたが、ある日、その馬が逃げていなくなってしまいました。隣に住んでいる人が「可愛がっていたのに残念でしたね」と同情すると、老人は「いいえ、また、何かよいことがやって来るかも知れません」と応えました。

 するとしばらくして、逃げた馬が、一頭の野生の白い馬を引き連れていました。老人は二頭の馬を持つことになりました。隣に住んでいる人が「馬が戻ってきて、しかも二頭になってよかったですね」と言うと、「このことが不幸のもとになるかも知れない」と喜ぶことはありませんでした。

 老人には一人の息子がいましたが、その息子が、白い馬を調教しているとき、その馬が暴れ、振り落とされて足を大怪我してしまいました。村人たちは「息子さんは気の毒なことになりましたね」と言うと、老人は、「いや、これは幸せをよぶことになるかも知れません」と言ってのけます。

 そのころ、となりの胡という国の軍隊が村に攻めてくるとの情報が入ってきました。多くの若者が兵士として出陣しましたが、その大多数の若者が亡くなりました。息子はというと、足を怪我していたため兵士として駆りだされることはなく戦死を免れました。その後、息子は親孝行で、その後幸せな人生を送ったということです。
この話はこう言えばああ言うというすなおでないおじいさんの話ではありません。

 自分たちに当てはめると、長い人生の中には思いもよらぬ良いことや不幸なことがたくさんある。例えばテストの点数、部活動の試合の結果などが「よかった」「悪かった」ということがあると思いますが、それに対して一喜一憂するのではなく、いいことが起こったときに慢心しない、(調子にのらない)。思うようにいかなかったときには、また頑張ってみようとあきらめないという粘り強さを持つことだと思います。三年生はいよいよ本当に進路決定の時がきました。一二年生にとっても、一年を締めくくるまとめの大切な時期です。これからも皆さんのいろんな頑張りが思いどおりの結果につながらないこともあると思いますが、今日の話の意味を教訓に頑張ってほしいと思います。

冬休みを迎えるにあたって

冬休みの注意事項については各学年で話があったと思いますので、先生からは年末年始を迎えるにあたっての話をしたいと思います。
夏休みは日ごろ取り組めないようなことに頑張ってほしい。春休みは年度の変わりで、次のステップに向けての準備をしてほしい休みです。
冬休みは次の点を意識して頑張ってほしいと思います。
まず、お正月、元旦って何なんでしょう。年が明けるってことは誰でも分かります。元旦について調べてみたところ、年神様が各家庭に来てくれる日だそうです。今はあまりしないけど、そのために玄関がわかりやすいよう門松を立てました。神様に来ていただくためにどの家でも奇麗に掃除をしますが、これも家族がそれぞれの分担を決めて掃除をするということに意義があります。
では、いつから始めるのかというと「すす払い」という言葉を聞いたことがあると思います。本来は12月13日がスタートとなっています。正月まで期間はありますが、前日に一夜飾りをするのではなく、物事は早くから取り組むようにという昔からの教えでそうなっています。
元旦には家族が全員揃う時で、改まって挨拶をし新年を迎えます。日頃会えない親戚なども集まる機会でもあります。年に一度、改まって挨拶をするという礼儀の学習の場であるようにも思えます。
皆さんの楽しみにしているお年玉。これも昔はお餅を配ったそうです。神様に捧げる鏡餅やお雑煮のお餅。お餅というのは大切なもので、それを子どもたちに一年間頑張れとの気持を込め、配付したと書かれてありました。無駄に使うことはできません。
三年生は勉強で大変だと分かっていますが、いつもよりも時間的には余裕があると思います。年末の掃除などは自分から進んで分担する、家族との会話の時間をゆっくりとる、節目としてしっかり挨拶できる態度を身につける。
そんなことを意識して、年末年始を迎えてほしいと思います。

避難訓練

今日は火災を想定しての避難訓練をしました。
今年に入って火災だけではなく、「これまで経験したことのないような大雨」が各地でおこり、また、先日の台風26号では、伊豆大島で今も不明者の方の捜索が行われています。
すでに27号も発生し、来週半ばには西日本に近づくと予想されています。
26号が「十年に一度」と言われましたが、27号のほうが大きいのではないかとニュースでも見ました。翌週には「十年に一度」が覆され「十年に二度目」となるかも知れません。

このように、火災だけでなく、地震や異常気象など、私たちの命が脅かされるような事態が
とても、増えてきたと感じています。
地震であれ、火災であれ、避難訓練はいろんな危機に対応できる力を身につけるということに繋がっています。
また、春の避難訓練の際にも言ったように、学校では誘導される立場ですが、地域では幼い子や高齢の方を助ける立場が求められる場合もあります。
そのような立場でもあるというのを認識して、日ごろから考えて正しい判断ができる力を身につけてほしいと思います。

10月4日 体育大会

おはようございます。本当に素晴らしい天候に恵まれました。
昨日はよく眠れたでしょうか。
ワクワクして眠れなかった人もいれば、運動が苦手で寝つきが悪かった人もいたと思います。
体育大会は「速さや力を競う」だけの行事ではありません。
「これまで磨き続けてきた心を発揮」する行事だと思っています。
今日、ここにいる全員が速く走ることはできません。
でも、全員が一生懸命取り組むことは可能です。
体育大会で、皆さんにお願いしたいことが二つあります。
ひとつ目。
応援も含め、誰一人の例外なく、真剣に取り組んでほしいと思います。
ふたつ目。
三年生は縦割り活動の中で、リーダーシップをしっかり発揮してください。
二年生と一年生は、本校体育大会の伝統を先輩から引き継いでください。

この二点がしっかりできれば、心に残る素晴らしい体育大会をみんなの手で作ることができると思います。健闘を祈ります。

九月集会
長い夏休みが終わりました。今年の夏はとてつもない猛暑の中、毎日部活動なども大変だったと思います。また、補充などにもしっかり参加し頑張っていたと思います。今日からも引き続き頑張ってほしいと思います。

さて、この休み中も皆さんは、色々な事に取り組んだと思います。うまくいったでしょうか?
みんながうまくいったということはなかったと思います。むしろ失敗のほうが多かったかもしれません。
この夏休み中に世界水泳がバルセロナで行われました。そこで100m背泳ぎで銅メダルを獲得した寺川綾という選手がいます。寺川選手は「自分のペースでレースに臨めば金メダルは取れない。取るためには攻めないといけなかった。
結果はタッチの差で3番だった。でもナイストライだったと思う。最後は力尽きてしまったけど、次回はそこをうまく泳ぎ切れるよう、練習を重ねたい」とナイストライという言葉を使っています。

また、世界陸上も行われ福士加代子も銅メダルを獲得しました。福士選手はもともとトラック競技の選手でしたが、トラック競技では最後のラストスパートでアフリカ勢に勝てないとマラソンに転向しました。これまでのマラソンレースでは、ラストスパート勝負に持ち込まれないよう、とにかくいけるところまで先頭を走っていました。でも、後半スタミナ切れを起こして、ひどい時はふらふらになって何度もひっくり返りながらゴールをしたこともありました。そして、努力を重ねて今回、銅メダルに輝きましたが、過去のナイストライがあったこその結果だと思っています。

うまくいかなかったとき、落ち込むのではなく「グッド トライ、ナイス トライ」という発想を持ってもらえたらと思います。
「失敗したけど、よくやった。恐れずにチャレンジした」ということです。みなさんには、まだまだ隠された力がいっぱいあります。失敗は当たり前、失敗を恐れて、チャレンジしないのが一番ダメです。
「グッド トライ、ナイス トライ」の気持ちを持って、この九月からをいろんなことに取り組んでほしいと思います。

夏休み前集会の話骨子

●計画
少し前から、先生も寝る前に「夏休みは何をしようか」と考えています。
もちろん、先生は夏休み中も仕事ですが、授業がある時に比べれば、多少、時間にも余裕が
あります。だから有意義に過ごそうと考えてます。
みんなはどうでしょうか?
懇談会もあって、担任の先生やおうちの人ともそんな話をした人もいると思います。
計画を立ててという言葉もあったと思います。
・一日、2時間は勉強しましょう。
・この教科を中心に頑張りましょう。
・クラブを休まずに行きましょう。などなど。

先生の経験を話します。初めて本格的な計画を立てたのは中三でした。
●入試に向けて。
その時は逆算して計画を立てました。入試日の前の三週間くらいは過去の実際の問題をやろう。
たとえば9月までに一年の復習、11月までには二年の復習。1月までは三年の復習を終えよう。
その期間の中でも、この週は社会と英語と理科のこの単元は終わる。
予定どおりに進まなかったときのために予備の週も入れておく。など。

●クラブの計画はもっと長期で、高校生球児が夏の甲子園をめざすのと同じで、先生は陸上をしていましたが、毎年、8月5日にピークが来るように、8月中には一年間の練習計画が立案されていました。その中から体調に合わせて自分で考えて調整もしていました。

●一年生と三年生では、夏休みの過ごし方は違います。一人ひとりによっても違ってきます。
大切なのは人にこうしなさいといわれて立てる計画ではなくて、自分がこうなりたいという目
標に向けて、計画を立ててほしいと思います。

●ひとりで悩むのは絶対にダメ!
何も嫌なこと、困ったことがなく過ごせる夏休みならいいですが、自分で頑張っていても、被
害にあうことだってあります。もし、困ったこと、自分ひとりで解決できないような問題が起
こった場合は、ひとりで悩んで、解決しようとするのではなく、おうちの方や先生、友達など
必ず相談するということを忘れないでほしいと思います。
特に問題が深刻であればあるほど、大人の人への相談を忘れないでください。
あなたはけっして一人ではありません。

●44日間という長い休みがおわり、9月2日、皆さんが一段と成長して、たくましく、また素
敵な笑顔で登校してくれることを願っています。

 

平成25年度のスタートにあって  
209名の新入生を迎えた入学式の際、新入生に、「中学校での三年間で、世の中に出て立派に通用する人としての基礎を身につけてほしい」という話をしました。そして、その基礎となる力として、頭、心、体を鍛えてほしいとも話しました。
将来、どんな道に進むにしろ、確かな学力はかならず必要です。自分の夢・目標を持って、意欲を持って自ら学ぶことにより、頭が鍛えらていくでしょう。
次に、心をしっかり鍛えてほしいと思います。美しいものを見たときに感動する感性、自分と他人との違いを理解し認め合える気持ちなど、人としての豊かな心を身につけてほしいと思います。
三つ目として思春期は体格だけでなく体力も大きく発達する時期です。大人になってもスポーツに親しみ、健康に留意しながら生活できるよう、体も鍛えてください。
得意な分野があるというのはとても重要なことです。しかし、勉強が出来るだけの頭でっかちではいけません。心のない人では世の中で相手にされません。また、運動ができるだけというのも考え物です。偏りすぎることなく、心技体、バランスのとれた人になれるよう、中学校生活を頑張ってほしいと思います。
【赴任のご挨拶】
伝統ある狭山中学校に赴任いたしました橋本和義と申します。よろしくお願いします。狭山中学校には平成16年度から21年度の六年間、教頭として勤務させていただいた、思い出深い学校でもあり、再び勤務できることを、とてもうれしく思っています。保護者の皆さまには、昨年同様、子どもたちのため、本校教育にご支援、ご協力をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

平成23年4月8日(金) 始業式の話の概要

 今年の狭山中学校は、1年生が206人、2年生174人、3年生161人の541人と、36名の先生方でスタートします。
 先生と一緒に、力を合わせて、いい学校をつくっていきましょう。
 「いい学校」とは、「あいつも頑張っているから、自分もがんばろう」と、お互いに高めあうことのできる学校だと思っています。
 今日あたらしい学級がスタートしますが、まず、クラスの中で、友達のいい面を見つけ合いましょう。お互いに、認め合いながら、みなさんの「良さ」を伸ばすために、ともに高めあうことのできるいいクラスをつくりましょう。
 狭山中学校の伝統は、「上級生が下級生の手本となる」ということです。
 入学式の準備や片付けは、2年生や3年生の先輩がしました。体育館の壁面には、2年生3年生の先輩から1年生へのメッセージが貼ってあります。
 3年生は学校を引っぱり、2年生が支え、1年生はしっかりとついていきましょう。
 3年生は、行事などで下級生を指導し引っぱっていくのはもちろんのこと、あいさつ、掃除、授業態度など、日常の学校生活においても学校を引っぱってください。
 2年生は学校を支えてください。支えるということはついていくのとは違い、力を出さないとできません。3年生は学校をしっかりと引っぱってくれると思いますが、もしも不十分なところがあれば、2年生が支えてください。
 1年生は、しっかりとついていってください。1年生があれだけ頑張っているんやから自分も頑張ろうと、2年や3年が思えるぐらいに頑張りましょう。
 年度末の集会や入学式で地震の話しをしました。被害にあった地域では、みなさんと同じように、4月にスタートできない学校がたくさんあります。そのことを、こころにとめながら、学校生活を送りましょう。
 それでは、新しい年度のスタート、ともに頑張りましょう。


平成23年4月6日(水)  入学式式辞の概要

 新入生のみなさん、入学おめでとうございます。
 今日はみなさんの入学をお祝いするために、教育委員会の瀬川教育委員さまをはじめ、たくさんのご来賓の皆さま方におこしいただいています。また、校長先生をはじめ、みなさんがお世話になった小学校の先生方にも来ていただいています。
 お忙しい中、誠にありがとうございます。心よりお礼を申し上げます。
 先月の3月18日に、教頭先生と東小、北小の卒業式に参加させていただきました。みなさんの卒業式にのぞむきちんとした姿勢、卒業証書をもらうときのきびきびした態度、元気のある返事、大きな歌声、たいへんりっぱな卒業式でした。とても、感動しました。
 その1週間前の3月11日に、中学校の卒業式を実施しました。大変いい卒業式だったと、多くの方々からお褒めの言葉をいただきました。
 卒業式が終わった日の午後2時46分に、東日本大震災がおこりました。最初は、詳しい被害状況はわかりませんでした。 地震と津波の影響で、約2万8000人の方々が、亡くなられたり、行方不明になっていると伝えられています。
 今日の入学式にあたり、みなさんがたと一緒に、亡くなられた方々のご冥福をお祈りしたいと思っています。 また、たくさんの被災された方々が、一日も早く、もとの生活を送れるようになることをお願いましょう。
 今、この厳しい状況の中で、命懸けで、たくさんの方々が、救助や復興のために懸命の努力をしています。自ら、被災しながらも、懸命に努力をしている人たちがたくさんいます。 世界中から、日本への支援や応援をしていただいています。
 今日、みなさんは、あらたに中学校生活をスタートしますが、地震のためにみなさんと同じような、生活を送れない方々がたくさんいるんだ、ということを心にとめながら、これからの中学校生活を送ってください。
 みなさんが、明るく、元気に中学校生活を送り、りっぱに成長することが、被災された方々や、救助活動や復興のために頑張っておられる方々に元気を与えることになると思っています。
 被災された方々の思いを受け止めて、これからはじまる中学校生活のスタートしてください。
 中学校は、小学校と違いがいろいろとあります。
・制服やかばんなどが決められています。
・教科によってすべて先生が変わります。
・教科書の内容もすこし難しくなりますし、定期テストもあります。
・いろいろな行事も増えてきます。クラブ活動もはじまります。
 みなさんのなかには、「ちょっと不安」に思っている人もいるかと思います。
 しかし、狭山中学校では、皆さんが充実した学校生活を送るために、授業や行事の取り組みなど、いろいろと工夫をしていきたいと思っていますので、安心をしてください。 きっと、 先輩も、やさしく教えてくれると思っています。
 もしも、何か困ったことがあったら、一人で悩まず、先生やお家の方に必ず、相談をしてください。
 みなさんが入学する狭山中学校は今年で61年目をむかえる大変伝統のある学校です。
狭山中学校には、二つの伝統があります。
 一つは、「どんなことにも真面目に一生懸命に努力をすること」ということです。
 みなさんは、誰もがみんなすばらしい「良さ」「いいところ」を持っています。真面目にコツコツと努力をすることで、中学校で、みなさんの良さを大いに伸ばしてほしいと思っています。 真面目に一生懸命に努力することが一番かっこうがいいことだということを狭山中で学んでください。
 二つめの伝統は、「上級生が下級生の手本となり、学校を引っぱっていく。」ということです。
狭山中学校では、体育大会や総合学習発表会、またいろいろな行事において、先生がマイクを持つことはなく、3年生を中心に、すべて生徒が自主的に行っています。 みなさんも、3年間で、是非学校を引っぱっていくことのできる生徒に成長してください。
 学校は、みなさん生徒と先生が一緒につくってものです。 この二つの伝統を受け継ぎ、先輩と先生と一緒に、よりすばらしい狭山中学校をつくっていきましょう。
 最後になりましたが、保護者の皆様方、お子様のご入学まことにおめでとうございます。
 皆様方のかけがえのない大切なお子様を、今日から3年間狭山中学校でお預かりいたし、教職員一同一丸となって、しっかりと教育させていただきたいと思っています。
 もし、中学校生活に不安や疑問が合った時には、どんなことでも結構ですので、遠慮なく学校にご相談くださるよう、お願いいたします。 子どもものために、望ましい方策を一緒に考えていきたいと思います。
 私は、子どもたちがすこやかに成長するためには、学校だけでなく、学校とと家庭・地域が同じ方向を目指し、連携、協力をする必要があると思っています。 保護者の皆様、地域の皆様方におかれましては、本校の教育活動をご理解いただきまして、ご支援ご協力の程、よろしくお願いいたします。
 新入生のみなさん、この後、それぞれの教室に行きます。あたらしいクラスで、はじめての出会いがまっています。 今日の出会いを大切に、充実した中学校生活を送ってください。
 以上をもちまして、私の式辞といたします。